建築家と原価で造る

「原価で造る」と「値引き」の違いは、企業姿勢の顕われといえます。ハウスメーカーや地域工務店の見積もり価格とは……

住宅を建築する場合、複数の建築業者から見積もりを取り寄せるのは常識です。
ただ、注文住宅は工業製品とは異なり、同一の物を比較することはできません。単なる価格競合に陥らないよう、慎重に検討する必要があります。

先日、あるお客様からご契約いただきました。私たちビルダーズブリッジを含め、5社のハウスメーカーや地域工務店から見積もりをお取り寄せになり、最終的に当社をお選びいただけました。

見積もりの結果としては、当社が一番金額が安かったわけではないのです。

お客様が当社をお選びになった理由は、過去の作品や現在建築中の作品をご覧になって、ご満足いただけたこと。
何より、お客様とともに設計プランや各種設備、職人さんの作業など《原価》を見極めながら、仕様を打ち合わせ、納得のいく金額にまとめる見積もりのプロセスが信頼できたから、とおっしゃってくださいました。

そしてよくある話ですが、当社以外の業者にお断りの連絡をされた際、ほとんどの業者より○○キャンペーンと銘打って、数百万円単位の値引きを提示されたとのことです。
最初の見積もり金額は何だったのでしょう。何も言わずに、その業者を選んだら数百万円を上乗せした価格になったのでしょうか?

また、同じ建築業者の目から見て、大変気になることがあります。
値引きをして、その会社の基準利益が得られなかった場合、営業担当者は歩合給を減らされることでしょう。現場監督としても基準利益に近づけるためには、下請け業者の手間賃をたたいたりと四苦八苦するのが目に見えています。

値引きによって切り詰められた予算では、建物を監理する上でも、現場の職人さんにしても、一言でいえば「よい建物を造る意気込み」が変わってくるのではないでしょうか?
建築過程において、追加工事や仕様変更の要望があっても、とうてい受け入れる余裕はないはずです。
結果的には、どこかに無理やしわ寄せがくる心配があります。

安心できるよい建物を造るのは、「高品質で低価格」といった、おざなりな謳い文句ではない、真摯な企業姿勢だと思います。
建物の《原価》をお客様とともに追求し、駆け引きのないベストプライスを提出させていただくことが、最も重要なのではないでしょうか。

建築家と原価で造る、新築&リノベーション。©株式会社ビルダーズブリッジ 建築見積もり価格の疑問